『爆TECH!爆丸』の思い出
西川です。
爆丸二期の戦略で外してはならないのが
一期の延長である海外合同展開のバトルブローラーズのみに頼らず
日本独自に爆テクという別ラインを一から起こし
バトルブローラーズと平行展開(後に爆テクのみに)し、
爆テクでは競技玩具としての魅力を前面に出したこと。
そしてそれをベースとした作品『爆TECH!爆丸』の
存在は外せないと思うのです。
『爆TECH!爆丸』は漫画アニメともに
とても楽しんで観ていて色々と書きたいのですが
自らの語彙のなさゆえ気持ちを表す文が驚くほど書けず苦しんで、
でも何も書かなきゃ無いのと一緒だしで
以下箇条書きでもつらつらと書かせていただこうと思います。
●漫画は「己の"我"を乗り越える話」だったと思う。
晴春、ライチ、グリフ兄弟、ニビルにそういう仕掛けがあったと思う。
個人的にはショウがコウへの依存を乗り越えていく過程が好きで
「お父さんは心配性」や「ルナティック雑技団」の森夜のお母さんが
こんな風に乗り越えてくれたらよかったのになぁ、
と思いながら読みました。
# ショウもニビルも"好き"に縛られるのは辛いし苦しい訳で
# あーみん漫画はそういう意味で笑いよりも苦しさが来るのです。
そしてそんなショウが爆テクコロッセオの時に
試合観ずに堀の魚数えてるシーンがあって
なんかそれがすっげぇ言葉にできないリアルさだったんだよなぁ。
●多分アニメ化が決まったあたりから
ライチの過去は涙ながらに破棄したんだと思う。
児童誌でやるには不向きな少年誌寄りの設定の張り方だったしで
仕方がないんだけれど無念だったのは感じた。
最終巻の書き下ろしエピローグは今でも解説が欲しいと思う。
●カラシナが女なんて一言も言ってない。
(『HUNTER×HUNTER』クラピカ女性説的な意味で。)
とにかくレギュラー全員男の話だったと解釈してます。
●二ビルを単にストーカーと割り切るのは残念。
子供ならよくある相互の認識のずれを描いてるだけだと思った。
てゆっかこの展開オッケーやったら
ライチの出自ネタだってできたよなぁ。
●漫画ではタツマがあまりにも不憫で
対してアニメではハロ兄の指導で
パワーバトルを極め爆テクメタルを得て
春晴に連勝できるほどになるという展開が好きでした。
パワーの春晴、テクニックのライチ、戦略のタツマだったのかなぁ、と。
●漫画とアニメでミスターアップとダウンの設定が
うまい事変えてあって感心。アニメの設定が好みでした。
●アニメは漫画をベースに
キャラクターの性格のデフォルメ加減が絶妙で
短編アニメ+おもちゃタイアップアニメという
制約の中で上手くキャラを活かしていて本当に感心しました。
対して漫画はキャラクターへの思い入れを
本編に盛り込むのに苦心した印象です。
と感じつつも、物語部分と爆丸バトル部分の一体化ぶりは
バトルブローラーズよりはるかに上の見事さで
さすがと言わざるを得ない。
漫画はタヴァネル登場後あたりから
おもちゃ登場させるのでいっぱいで
キャラクターや物語を掘り下げる余裕が
なくなっていった印象。
なので漫画は滅(サンズ)ホロヴォスと
ドラスロンのエピソードを行なわなかったのは正解だったと思う。
どちらも話題の商品だったので苦しい選択だったと思うのですが。
また、漫画、アニメ共に、
士(ジゲン)ドラガオンと全(ゼータ)ムニキスの発売を
半年ずらす事を活かす物語作りに苦心したように感じました。
●それでも最後は漫画、アニメ共に
春晴とライチのバインドで冥(メイド)ラスヴォスに勝利
というフィナーレで幕を閉じる事ができた
幸せな作品だったと思っています。